優子の店
「おめでとうございます。」
優子「ゆっくりしてって下さいね。」
2人「ありがとうございます。」
「開店 おめでとう!」
優子「どうも ありがとうございます。」
「1枚 撮らせて頂きます。」
優子「ちょっと待って下さい。」
「はい。 撮ります。 はい チーズ。 もう1枚 いきます!」
「あの~ 優子さんの妹さんの 直子さんですか?」
直子「はい。」
「先月の『装麗』見ました! 握手して下さい。」
直子「ええ。」
「はあ! ありがとうございます。」
「私も いいですか?」
直子「ええ もちろん。」
北村「よう!」
優子「おっちゃん ありがとう。」
北村「おめでとよう! よう やったなあ。」
糸子「北村! こっち こっち。」
北村「ごっつい盛況やのう。」
聡子「おっちゃん。」
北村「おおきに おおきに。」
糸子「あんたな。」
北村「ああ?」
糸子「なあ 短いスカート こさえ。」
北村「はあ?」
糸子「明日から もう すぐ始め! こさえられるだけ こさえ!」
北村「へ?」
糸子「だまされた思てな。 中途半端に短いのは あかんで。 ごっつい ごっつい短いやつや! 絶対 売れる。 死ぬほど売れるよって。」
聡子「ジャ~ン! フフフッ。」
北村「な… 何じゃ こりゃ おい!」
聡子「どない?」
糸子「この丈や。」
北村「いや この… この…。 あ~ もう 着替え 着替え 着替えや はよ! もうええ。」
直子「あのな パリでは ミニ・ジュップちゅうんや 短いスカートの事。 春のパリコレで クレージュが発売したんや。 源太が 言うちゃあっと『冬までは シャネル着てた女の子らが 春になったら一斉に変わったて。 見事に みんな この丈 はいちゃあった』て。」
北村「はよ着替え 言うてるやろ! いつまで 膝 出してんねん おい! 嫁 行けんようなんど!」
聡子「かめへ~ん。」
北村「かめへん事ない 動くな おい! あかん。」
糸子「いや せやけどな 北村。」
北村「ああ?」
糸子「恐ろしいけどな 時代が変わった。」
北村「何じゃ?」
糸子「これからな 日本の女の子らも 脚 出すで。 出しまくるで。 嫁に行けんかて… いや そもそもな 別に 嫁になんか 行かんでええんや。」
北村「ああ? 何じゃ お前 怖い言い方 すんなや。」
糸子「いや 正直 うちも ちょっと怖い。 見た事もない時代が 来るんやさかいな。 けどな これだけは 確かや。 短いスカートは 流行る。 こさえ。」
聡子「こさえ。」
優子「こさえ。」
直子「こさえ。」
糸子「こさえ。」
聡子「こさえ。」
優子「こさえ。」
直子「こさえ。」
<元は ロンドンの若い子ぉらの 流行った ミニスカートが>