連続テレビ小説「カーネーション」第36回「乙女の真心」【第6週】

紳士服・ロイヤル

店内

(雷鳴)

(ため息)

糸子「お疲れさんです。」

(蹴飛ばす音)

店主「拾とけ。」

(雷鳴)

店主「いらっしゃ~い!」

試着室

サエ「言うとくけど 昨日 言うた事は 取り消さへんで。 どっちにしたかて うちは 場末のダンスホールの踊り子や。 けど 1人だけ…『あんたの踊りは 他の子と 全然ちゃう』て 言うてくれた お客さんが いてたんや。 その辺の男と ちゃうで。 それなりの道で大成してる 立派な玄人の人や。 その人が うちに『あんたには 踊りの勘ちゅうもんがある。」

サエ「 ちゃんと 修業 積んだら もっと ええとこまで 行けんで』って 言うてくれたんや。 そやのに うちは なんも せえへんかった。『そんなもん うちに修業なんか 積めるかいな』思て。 毎日 同じように 適当に ダンスホールで 男の相手だけしちゃった。 そしたら その人… だんだん うちを 指名してくれへんよう なってしもたんや。」

糸子「その人が イブニングドレスの話 した人け?」

サエ「そうや。 そら… 着物が ドレスに変わったくらいで 全部 どないかなると思うほど うちかて アホちゃう。 中身は一緒や。 何も変われへん。」

糸子「変わるわ。 人は 着るもんで 変わるんや。 根岸先生が そない言うちゃったわ。」

サエ「根岸先生?」

糸子「分かった。 よう分かった。 あんたみたいなアホほど うちは やる気 出るちゅうねん。 うちが ほんまの本気で ドレス 作っちゃる。 ごっつい上物の 一流のドレスや。 あんたは とにかく それ 着い。 毎日 着て 毎日 踊って ちょっとずつでも うちのドレスに 釣り合うだけの踊り子になり!」

店内

(落雷)

店主「いや! ああ… またや!」

(落雷)

生地屋

糸子「こら ちょっと 格好ええけどなあ。」

サエ「ええやん。」

糸子「いや ちょっと違うな。 黄色。」

サエ「うち 黄色なんて…。」

<それからのサエは びっくりするほど ええお客さんでした>

サエ「変わった…。」

糸子「これ ワンピースやな。」

サエ「嫌や。」

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