連続テレビ小説「カーネーション」第40回「移りゆく日」【第7週】

糸子「いや…。」

ヤス子「ああ~!」

糸子「ああ やっぱし お宅 こっちです。」

大山「いや~ ほんまや カンダさん。 そっちやで。 うん!」

「そうかあ?」

ヤス子「そっちやで。 顔が映えるわ。」

「ほんまけ?」

糸子「うん。」

店主「ほれ! 休憩時間 過ぎてるで!」

一同「え~?」

店主「仕事 仕事!」

「おおきに!」

店主「はい ありがとうございます。」

糸子「おおきに!」

「おおきにな!」

糸子「おおきに!」

「おおきに。 出来たら 着てくるわ。」

糸子「はい! 見せて下さい。 おおきに!」

ヤス子「また 来るわな。」

糸子「ええ!」

「楽しみやわ~!」

「なかなか やるわな あの子。」

糸子「おおきに!」

(柱時計の時報)

店主「そやけど…。」

糸子「え?」

店主「あんた あんな腕 持っちゃあったんけ。」

糸子「はあ…。 まあ 一応 洋裁師ですさかい。」

店主「まあ 客も あんだけ 喜んじゃったちゅう事は ちょっとは ええおまけに なったかもしれんけど…。 そやけど あんなんで 簡単に繁盛する 思うなよ。」

糸子「はあ。」

店主「商売ちゅうのは そない…。 何や?!」

縫い子「もう定時ですよって。」

店主「お おう。 はよ帰りんかいな。」

縫い子「ちょっと ええ? 小原さん!」

糸子「はい?」

縫い子「うちにも あれ やって。」

糸子「何?」

縫い子「洋服 縫いたいんやし うちも!」

縫い子「うちも!」

縫い子「うちも ずっと 縫いたい 思ちゃあったんやし!」

縫い子「なあ 大将。 生地代 払うよってに ええやろ?」

店主「まあ… そら ええけど。」

一同「わあ おおきに 大将!」

縫い子「決まりや! な 頼んだで! 頼むで!」

縫い子「小原さん!」

<その次の日ぃから>

作業場

(柱時計の時報)

縫い子「10時や!」

縫い子「10時や!」

縫い子「10時や!」

<一日3回ある休憩の時間に 縫い子のおばちゃん達が 一斉に うちのところへ 集まってきて 順番に 生地を 買うていくように なりました>

縫い子「小原さん!」

縫い子「小原さん!」

糸子「堪忍。 今日は 堪忍 ほんま眠たいねん。 寝かして…。」

縫い子「そやった… あんた 夜中も 仕事してんやったなあ。」

縫い子「そら こんな 一人で働かすん 悪いわなあ。」

縫い子「そうやなあ。」

縫い子「小原さんの分 うちらが手分けして やっちゃあったら どやろ?」

縫い子「そやそや! そないしよ!」

縫い子「やっちゃる! やったるで!」

糸子「ほんま?」

縫い子「やっちゃる。 やっちゃるよ。」

糸子「おおきに…。」

縫い子「やっちゃるでえ。」

縫い子「うん やっちゃるよ。」

糸子「おおきに…。」

縫い子「ありゃ~ あ~ん ああ…。」

縫い子「あっ! シ~ッ…。」

<おかげで うちは やっと ゆっくり寝れるようになって その分 ますます 店の方を 頑張れるように なりました>

スポンサーリンク







シェアする

フォローする

スポンサーリンク