連続テレビ小説「カーネーション」第74回「生きる」【第13週】

小原家

台所

<よっしゃ! よっしゃ よっしゃ!>

糸子「ああ。 こんで しばらくは どないかなる。」

オハラ洋装店

(ミシンの音)

(警戒警報)

糸子「警報や!」

<警戒警報は 日増しに増えてきました>

糸子「急ぎ! はよ! はよ!」

(警戒警報)

<6月に入ってからは 朝 昼 晩 ひっきりなしに鳴って>

2階 寝室

(警戒警報)

<夜は ロクに寝られんと。 そやからちゅうて 昼も 休んでる訳にいかん。 ゆうてるうちに 梅雨に入ってしもて>

山中町

(雨の音)

(水滴の音)

千代「あれ まあ。」

優子「お母ちゃん!」

千代「ぬれてしもて。 まあ~!」

糸子「ぬれるで。」

千代「ご苦労やったなあ。」

糸子「お母ちゃん 米 米 乾かして! ぬれてしもたかもしれん。」

千代「はいはい。 ぬれてしもたなあ。」

糸子「お母ちゃん。」

千代「はあ?」

糸子「その手 どないした?」

千代「はあ これか? ムカデに 刺されてしもたんや。」

糸子「ムカデ? うわ~ やっぱし 出てきてもうたか。」

直子「直ちゃんも ムカデ 見たで。 こんくらいのん。」

糸子「ああ あんたら ムカデ 絶対 触ったら あかんで!」

2人「うん。」

ハル「糸子!」

糸子「ん?」

ハル「早う 家 帰してくれなんだら うちら ムカデに殺されてまうで。」

糸子「はいはい。 戦争 終わったら すぐ帰しちゃるよって。」

ハル「戦争なんか終わるの 待っちゃあったら うちらの方が 先 死んでまうわ。」

千代「なあ もうちょっとしたら そこの川に ようさん 蛍が出るんやて。 昨日もなあ 日暮れに優ちゃんらと 見に行ってみたんやけど まだ出てへんかった。」

糸子「はあ。」

千代「楽しみやなあ。」

道中

(かえるの鳴き声)

(足音)

住民「こら 泥棒! 待てえ! あ 泥棒 見んかったか?」

「あっちや。」

住民「畜生 ほんまにもう!」

「おい 行ったど。」

(かえるの鳴き声)

「何じゃ お前。 ごっつい別嬪やの。 腹 減ってんけ? 食わしちゃら。 来いや。」

<モノが考えられへんように なってました>

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