史彦「この家も 自分で建てたんですか?」
賢三「若い頃 那覇で 大工の見習いをやっていまして。 今でも毎年 農閑期には出稼ぎに。」
史彦「多才ですね。」
賢三「とんでもない。 行き当たりばったりの人生で。 この島と同じです。 フッ…。」
史彦「日本の沖縄県だった時代 戦争の時代 そして今は アメリカ。」
賢三「戦前は 大和世(やまとゆー)。 戦時中は 戦世(いくさゆー)。 今は アメリカ世(アメリカゆー)といいます。」
歌子「すごい! ネーネーすごい!」
暢子「大丈夫?」
和彦「難しい 難しい。」
史彦「1曲 お願いしてもいいですか?」
賢三「喜んで。」
(三線の音)
♬~(三線)
♬『唐船ドーヰさんてーまん 一散走ーえならんしや ユウヰヤナー【若桜町村ぬ(指笛)サー 瀬名波ぬタンメー』
ポストを作る賢三
歌子「わ~!」
賢秀「デージ上等!」
歌子「かわいい。」
良子「ありがとう。」
暢子「お~!」
歌子「歌子も 歌子も。」
賢秀「じゃあ 俺も!」
(シャッター音)
暢子「すごい! やった~!」
賢秀「アハハハ!」