厨房
矢作「おい 明日の注文 変更分も済んでるよな?」
暢子「やっておきます。」
矢作「うん。」
暢子「あっ 仕込みの段取り 一緒に 確認をお願いしたいんですけど…。」
矢作「何か やる気出ねえなぁ。」
(ドアの開閉音)
暢子「今日は 本当にいろいろと すいませんでした。 やっぱり うちがシェフ代行なんて 荷が重すぎるというか…。」
房子「最初から完璧にできる人なんていない。」
暢子「叱らないんですか?」
房子「今夜は 何も考えない。 早く帰って寝なさい。」
沖縄料理店・あまゆ
和彦「お帰り。 暢子 今日は悪かった。」
愛「暢子ちゃん 今日は 本当にごめんなさい。」
暢子「どうして あんなことに…。 何があったわけ?」
和彦「これ。」
暢子「ん?『おふくろの味 子どもの笑顔 おいしいごはんを作るのは お母さんの仕事』。」
愛「1週間前に載った 食品会社の広告なんだけど…。」
回想
和彦「料理を作るのは女と 決めつける表現は 男女の役割分担を固定化するものです。」
愛「読者からも 批判の声が寄せられています。」
和彦「これに対する我々の見解を はっきり 打ち出すべきじゃないでしょうか。
田良島「全く お前は…。 青臭い 生意気ばっかり 言いやがって…。 分かった。 思ったとおり 書いてみろ。 俺が 上に当てる。」
和彦「ありがとうございます。」
回想終了
愛「ところが 和彦が書いた原稿を読んだ 営業部長が どなり込んできて…。」
回想
営業部長「おい この記事は何だ 田良島! 東風食品は 大事な広告主。 あそこの会長は うちの社長の親戚筋だ! こんな記事を出してみろ。 お前を飛ばすだけじゃ 済まさないからな。」
回想終了