サロン
恵理「なんか いいね 恵達…。 やっぱり あんたは そういうのが 似合うよ ね?」
祥子「うん。」
恵達「姉え姉えに 褒められてもなあ。」
恵理「何 それは?」
恵達「…ありがとう。」
恵理「あれ… 真理亜さんは?」
容子「『ゆがふ』に 行っちゃった。 今日は 独身同盟の日だって。」
恵理「え?」
容子「真理亜ちゃんと 遥ちゃんと 静子さんと 飲むんだって…。」
文也「え?」
柴田「仲間に 入れてもらえないんです 独身同盟の日は…。 入っても 冷たい視線で 追い返されますよ。」
奈々子「私も 一度あった。 なんか 怖いですよね。」
柴田「怖いですよね。 私も 追い返されたんですけどね なんか 節分の 鬼のようでした。」
(笑い声)
柴田「はっ…。」
止めに入る容子w
容子「しっ。」
静止を振り切る柴田w
柴田「い… えい! …似ている! はあ~。 あれは中学1年の節分の日だった。 寒い日だった。 外は吹雪。 …でも 遊びたい盛りの僕達は 友達のうちに 集まっていた。 男の子が3人 女の子も3人 その中に 僕の大好きな 千寿子ちゃんが いたの…。」
柴田「楽しかった…。 だが 今日は節分だから 豆まきを しようということになった。 豆まきには 鬼が必要だ。 ぞの時… 僕の愛する千寿子ちゃんが こう言ったのだ。『やっぱりさ 鬼は 柴田君だよねぇ。 顔… お面に似てるしさ』あ~ハアハア…。 恋が終わった瞬間だった。 でも 僕は 鬼を全うしようと… 演じきろうと思った。 楽しそうに 僕に豆をぶつける 千寿子ちゃん。 うう~っ。」
柴田「僕は 鬼の お面の下で 泣いた。 しょせん 僕は鬼だ! ピエロだ! それで いい。 千寿子ちゃんが 楽しそうなら それで いい。 そして 僕は 窓を開けて『鬼は外』の声とともに 窓の外に飛んだ! 2階だという事を 忘れて!」
恵理「ええ~っ!」
柴田「雪が積もっていて ケガをしないで 済んだ。 あの節分の 夜の空気に 似て…。」
容子「ない…。」
柴田「えっ?」
容子「だから 全然 似てないって。」
柴田「はい すみません…。」
恵理「いやぁ 久しぶりで 感動したさぁ。」
文也「ある意味 泣けたね。」
柴田「そうですか…。」
和也「柴田 イエ~イ!」
ゆがふ
静子「なんか 恰好いいねえ 今どきの 男の子はね…。」
真理亜「ちょっと 静子さん 何 考えてるの? もしもし?」
真理亜「もしもし?」
遥「…いや 違います。 そんなんじゃないんです。」
兼城「え?」
遥「いや…。 ハッハハハ…。」
静子「ねえ 多恵子ちゃん。 みんなで 一緒に飲まない? どうせ ほかには お客さんなんか 来ないんだしさ…。」
兼城「(せきばらい)」
静子「アッハハハ…。 ごめんなさい。」
兼城「いえいえ もう…。 俺も 一緒に飲んで いい?」
遥「あ そうですね。 飲みましょう。」
真理亜「え?」
静子「なんか いいねえ。 合コンみたいでね。」
遥「楽しい…。」
帰ろうとする真理亜を捕まえる静子w
静子「さあ~ 飲もうねえ!」
遥「真理亜先輩もね!」
静子「『帰る』なんて言わないの!」
真理亜「離して!」