紺野家
恵理「お邪魔しました!」
道中
恵理「あらっ…。」
一風館
サロン
みづえ「コーヒーを どう?」
恵理「あ… ありがとうございます。」
みづえ「今ね 自分で飲もうと思って ちょうど いれてたから…。」
恵理「おいしい。」
みづえ「そ~う?」
恵理「あ… 管理人さん。」
みづえ「え?」
恵理「例えばですよ。 例えば…。 ちょっと 嫌な気持になるかも しれないですけど ごめんなさい。」
みづえ「あ 何?」
恵理「管理人さんが 病気で…。」
みづえ「うん。」
恵理「寝たきりまでは いかなてくも あまり 自由にうごけなくなって しまったと しますよね。」
みづえ「うん。」
恵理「そんな時 島田さんに どうしてほしいですか?」
みづえ「『どうしてほしい』って?」
恵理「はい。」
みづえ「う~ん それはね…。 やっぱり ずっと一緒に居てほしいと思うわ。」
恵理「はい。」
みづえ「でもね… なんだか 見られたくないのよね 弱ってるところを…。」
恵理「え?」
みづえ「自分の弱ってるところを あんまり 見られたくはないわね。」
恵理「どうしてですか?」
みづえ「そりゃあね 夫婦なんだから 弱ってる ところでも 何でも 全部 さらけ出して それで いいじゃないかという気持も分かるわよ。 でもね 私なんかが受けてきた 教育の影響というのかしらね 弱ってるところを… やっぱり 男性には あんまり 見られたくななあ。 だって やっぱり 女でいたいもの…。」