楽屋
ハナ「今日行かないと 大学の単位が やばいそうで
花梨「単位落としたら 親から アイドルやめろって言われるから 今日は来られない。 何か こないだも そんなこと言ってませんでした?」
ハナ「こないだとは 違う単位なんだって。」
花梨「営業系のイベントになると いっつも やばくなる単位って何!?」
紀子「もう ハナに怒っても しかたないじゃん。」
花梨「ごめん。」
詩織「まあ ご新規さん 4人で山分けできるしさ。 前向きに行こっ。」
花梨「だよね。」
営業中のサニサイ
花梨「皆さん こんにちは! 私たち…。」
4人「サニーサイドアップです! よろしくお願いしま~あす!」
♬『失敗したっていいよ(したっていいよ)何回だっていいよ(だっていいよ)ようやく見つけた唯一の夢なら』
大学
「えっ アイドルって そんなことまですんの?」
凛怜「そうだよ。 売れるためなら そのくらい当たり前。」
「へえ~。 凛ってさ 何で アイドル やってんの? 意味分かんないんだけど。」
凛怜「就活だよ。 女子アナへの道。」
「ふ~ん。」
(携帯の通知)
凛怜「それに たまには こんな おいしい仕事もあるし。」
「へえ~。」
凛怜「見て。」
撮影中のサニサイ
(シャッター音)
「はい OKです。 チェックしますね。」
花梨「今 単位 やばいんじゃなかったっけ?」
凛怜「今日は やばくないから平気。」
花梨「ふ~ん。 そういうもんなんだ。」
凛怜「そうそう。 毎日やばいわけじゃないから。 あ… 大学行ってないと その辺の具合は分かんないか…。 ねえ しお そんなもんだよね?」
詩織「え? まあ。」
カメラマン「じゃあ 次のポーズ いきます。」
詩織「はい。」
(シャッター音)
運営「凛 花梨 ちょっといい?」
花梨「はい。」
運営「ここの社長が 表紙用の浴衣を 花梨じゃなくて 凛に着てほしいって。 まっ 単なる社長の好みだから。 じゃ よろしくね よろしく。」
凛怜「はい。」
カメラマン「はい じゃあ 目線下さい。 うん かわいい。」
凛怜「ステージじゃ 全然 かなわないんだからさ ここくらい譲ってよ。 ねっ リーダー。」
花梨「じゃあ… まあ しょうがないか。 ハハハ。」
その一発で終われば よかったんですけど。 調子に乗った運営は…。
楽屋
紀子「凛ちゃん目当ての子 増えてるし ファンサの一環だって。」
花梨「まあ ファンサは大事だもんね。」
ハナ「生誕祭だって思えば どうでしょう?」
花梨「だよね。 そう思えばいいんだよね。」
(ドアの開閉音)
ハナ「私 間違えましたかね?」