連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第99話「プロダクション旗揚げ」

布美枝「どうぞ。」

船山「途中経過を申し上げると 『墓場の鬼太郎』のテレビ番組化は ちょっと 難航しております。」

茂「そうですか。」

船山「子供向け番組としては 『怖すぎる』と言われましてね。 『母親層に受けない』という 意見もあるんですよ。」

茂「うん そうかもしれませんなあ。」

船山「『墓場の…』というタイトルにも 抵抗があるようで…。 社内の口の悪い連中などは 「スポンサーに つくのは 葬儀屋か 石屋ぐらいのもんだ」と 言いだす始末で。 アハハハ。」

茂「葬儀屋が 子供番組に 広告を打っても 宣伝には なりませんな。」

船山「ええ。 ヘヘヘ…。 映画部から… 『夏の怪奇映画に どうか』という 話も 来てるんですが…。 しかし 私としては あくまでも テレビ路線で 粘りたいと 考えています。 抵抗が大きいという事は 裏を返せば 当たれば でかい という事ですから。」

茂「なるほど。」

船山「ただ ちょっと 時間が かかるかもしれません。 そこを お待ち頂けれるかどうか。」

茂「お任せしますよ。 紙芝居でも 漫画でも 『鬼太郎』の人気が出るまでには 随分 時間がかかりました。 今更 急ぐ事もありません。」

船山「分かりました。 これで こっちも 腹が据わりました。 安売りはせずに じっくり やっていきましょう。」

豊川「雑誌と テレビが 肩を組めば ファンは 一気に増えますよ。」

茂「はい。」

豊川「先生 私はね 近いうちに 妖怪ブームが来ると にらんでいるんです。」

茂「妖怪ブームか…。」

豊川「水木しげるの 妖怪ブームですよ!」

茂「ふ~ん。」

船山「私も あちこちで 言って回ってるんです。 『妖怪だけに これは 化けるぞ』と。 『相場の安い 今のうちに 話に乗っておけ!』って。」

茂「あれ さっきは 『安売りしない』と 言っとったのに。」

船山「あっ そうでした。 アハハ…。」

(一同の笑い声)

布美枝「お茶 入れ替えましょうか?」

船山「ああ ヘヘヘ。」

郁子「すごいですねえ。 テレビと組む話。 スケールが大きいわ。」

布美枝「まだ どうなるか 分からんですけどね。 テレビで 『鬼太郎』が見られたら ええなあって 私も 楽しみにしとるんです。」

郁子「楽しみ? それだけですか?」

布美枝「え?」

郁子「私は 聞いているだけで ワクワクするけどなあ。 雑誌と テレビが組んで 新しいブームを作りだすなんて 面白いと思いません?」

布美枝「ええ…。」

郁子「それくらい スケールの大きな仕事を やってみたいわ…。 『ゼタ』に いたんじゃ 到底 無理だけど…。」

布美枝「郁子さん…?」

郁子「お茶 私が持っていきます。」

布美枝「すいません。」

郁子「船山さん スポンサーを口説くコツ 教えて頂けませんかしら?」

船山「え?」

豊川「加納さんは 『ゼタ』で 広告取りの 仕事も してるそうですよ。」

船山「ああ 営業ウーマンですか?」

郁子「何でも屋ですわ。 編集も 経理もやりますし なにしろ 小さな会社ですから。」

茂「この人は 偉いもんですよ。 何でも 知っとるんです。 今日は 会社の作り方を 教えてもらっとるとこです。」

船山「へえ たいした才媛だ。 アハハハ…。」

豊川「深沢さんの 懐刀ですからね。」

郁子「とんでもない。 それより 豊川さん 『少年ランド』は 今 どれくらい出ているんですか?」

豊川「80万部に そろそろ 手が届きます。」

郁子「まあ すごい! でしたら もう 『少年アワー』と 肩を並べたんですね?」

豊川「いや いや いや。」

郁子「すごい!」

布美枝「郁子さん 何か やりたい事 あるのかなあ?」

<布美枝には 郁子の様子が 今までとは 少し違って見えました>

<それから 数日 経って…>

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