珈琲店・太鼓
(テレビ)
「まだまだ 男やわ。 男が強い。」
「そら やっぱりな そんな簡単に 世の中 変わらへんわ。」
糸子「いや せやけど だいぶ変わってきたて。 子供の頃に 女の自分が 店 持てるやて 夢にも思われへんかった。」
「確かに。 うちも 女は男に仕えてなんぼじゃ 言われて育ったわ。」
糸子「それが こないして 幸か不幸か女手一つで 店やらしてもらえてんや。 とこどん好きなだけやったらんと 損やで。」
「まあな。 フフフ!」
糸子「うちのおばあちゃんがな よう言うてたわ。 女には女のやる事があらしな ちゅうて。 このごろ ほんま そう思うわ。 女にしか でけへん商売ちゅんが ある気ぃすんや。」
「分かるわ。 確かに 男の人の商売 見とったら 何で こんなとこに 意地張らんならんの? チャラっと頭下げとったらええやんて 思う。」
糸子「そう。 女は そこを チャラっと下げられるんや。 張らんならん意地なんか ないさかいな。 これは 強みやで。」
「ほんまやな。」
<同じ志の女の人らがおる ちゅうんは お互い ほんまに うれしい頼もしい事で うちらは それからも度々 寄り合っては いろいろな意見や情報の 交換をするようになりました>
アメリカ商会
(鼻歌)
木之元「あ いらっしゃ!」
「あ~ どうも。 ご主人ですか?」
木之元「はあ そうです!」
「あ~ いや~ なかなか すばらしい店ですね!」
木之元「ああ おおきに!」
「非常に 何ていうか 情熱を感じますよ。 自分は これが好きなんだ! 好きで好きで たまらないんだ! というね!」
木之元「ひや ほうでっか? そら そない言うてもろたら うれしいなあ! いや ちょっとまあ 立ち話も なんやさかい 座って下さいな!」
「ほら これがまた これ いいじゃない これ! ね!」
木之元「そうですやろ? ここが難しかったんですわ。」
聡子「ただいま~!」
木之元「お お 聡ちゃん! これ 小原三姉妹の末っ子ですわ。 聡子いいます。 な!」
「おう そうでうか!」
聡子「はあ 聡子です。」
木之元「お客さん!」
聡子「え?」
木之元「東京からの。 お客さんやで。」
聡子「東京?」
木之元「うん。」
原口「どうも。 初めまして。 東京で 優子さんの指導をしております 原口です。」