糸子「ソーリャ! ソーリャ!」
「ソーリャ! ソーリャ! ソーリャ! ソーリャ! ソーリャ! ソーリャ! ソーリャ! ソーリャ!」
「ソーリャ! ソーリャ! ソーリャ! ソーリャ!」
「ソーリャ! ソーリャ! ソーリャ! ソーリャ!」
(だんじりの走る音)
糸子「泰蔵にいちゃ~ん! うわ~! 恰好ええ 泰蔵にいちゃ~ん!」
勘助「兄ちゃ~ん!」
糸子「恰好ええ! 泰蔵兄ちゃん 恰好ええ!」
勘助「兄ちゃん 兄ちゃん!」
「ソーリャ! ソーリャ! ソーリャ! ソーリャ!」
ハル「泰蔵ちゃん 立派やんか。 立派やな~。」
玉枝「う~ん。」
ハル「はれ? 玉枝さん!」
<おばちゃんは 自分でも知らん間に ずっと 息を止めちゃったそうです>
糸子「大丈夫?」
♬~(お囃子)
<夜になったら 今度は 子供らが だんじりを曳かせてもらう番です>
「糸子~!」
「糸子姉ちゃ~ん。」
「泰蔵ちゃん!」
「立派やったで。」
糸子「恰好ええなあ。 うちも 大きなったら 絶対 大工方になっちゃるでえ。」
勘助「アホか。 女が大工方になんか なれるか。 あ イテテテテ… 痛いやん!」
「エンヤー ソーリャ! エンヤー ソーリャ!」
<ほんまは うちも あっこに乗りたかったけど 女の子やからって 乗らせてもらえませんでした>
「エンヤー ソーリャ! エンヤー ソーリャ!」
居間
「ほら 早く早く。」
「おうおうおう。」
善作♬『よも尽きじ』
「すんません。」
善作♬『よも尽きじ』
木岡保男「善ちゃん もうええよって 早う飲めえや。」
奥中宗次郎「誰も 聴いてへなん。」
「うまいわ この水ナス。 奥さん。 あんたんとこの水ナス 上手に漬けてはるよ。 なあ。」
千代「あ どうも…。」
一同「あ ああ~。」
千代「すんません すんません。」
玄関
玉枝「ええて 歩くて もう。」
「おう 泰蔵! よかったね~。」
泰蔵「おおきに。」
ハル「気ぃ付けて。」
千代「気ぃ付けて。」
糸子「気ぃ付けて。」
泰蔵「おおきに。」
玉枝「お世話かけました おおきに。 ええて 歩くて。」
泰蔵「ええて。」
玉枝「何で くたびれてるあんたに うちが おんぶされんと あかんねん。」
泰蔵「ええて。」
善作「あ あ 泰蔵! 御苦労やったの~ ハハハ 気ぃ付けよ~。」
「ようやったな 今日は。」
玉枝「おおきに。」
善作「へっ よかった よかった。」