玉音放送の英訳・平川『The hardships and sufferings(惟フニ今後帝国ノ受クヘキ苦難ハ)to which Our nation is to be subjected hereafter(カタヨリ尋常ニアラス)will be certainly great. We are keenly aware(爾臣民ノ衷情モ朕善ク之ヲ知ル)of the inmost feelings of all ye, Our subjects. However, it is according to the dictate of time and fate(然レトモ朕ハ時運ノ趨ク所)that We have resolved to pave the way(堪ヘ難キヲ堪ヘ 忍ヒ難キヲ忍ヒ)for a grand peace for all the generations to come by enduring the unendurable and suffering what is insufferable.(以テ万世ノ為ニ太平ヲ開カムト欲ス)Cultivate the ways of rectitude; goster nobility of spirit;(道義ヲ篤クシ 志操ヲ鞏クシ)and work with resolution so as ye may enhance the innate glory…(誓いテ国体ノ精華ヲ発揚シ)』
回想
安子「稔さんがご無事でありますように。」
『世界ノ進運ニ後レサラムコトヲ期スヘシ』
安子「ご無事で… 帰ってきてくれますように。 どうか… どうか…。」
回想終了
平川「8月15日 北米向けの英語放送で 終戦の詔書を朗読させていただきました。 程なくして NHKを退職しました。」
ひなた「えっ? いや そもそも NHKの人やったこと知りませんけど。 …っていうか その前に 誰?」
平川「細かいことは置いときましょう。」
ひなた「あっ 分かりました。」
平川「ある時 国際課の方から 依頼されたんです。 ラジオの英語講座の講師を やってみないかと。 私は すぐに お引き受けしました。 あのころの弱り切った日本を 元気づけたかった。 ラジオを通して 英語を通して 明るく楽しい暮らしを 取り戻してほしかった。 そう思いましてね。 ♬『証 証 証城寺 証城寺の庭は ツ ツ 月夜だ みんな出て 来い来い来い』」
ひなた「♬『おい等の友達ァ ぼんぼこ ぽんの ぽん』」
平川「いいですねえ!」
ひなた「どうも。」
平川「日本を明るくするのに ぴったりの曲です。」
♬~(『COME COME EVERYBODY』)
♬『Come, come, everybody How do you do, and how are you? Won’t you have some candy? One and two and three, four, five? Let’s all sing a happy song Sing tra la la la la』」
ラジオ・平川『Good evening. Let’ speak English, shall we? I’m delighted to meet you all on the air tonight. And now… 皆さん こんばんは。 今日から皆さんとご一緒に 毎晩 この時間に 『英語会話』のお相手を することになりました。 どうぞ よろしく。 皆さんは 小さい赤ちゃんが だんだん 少しずつ話ができるようになる様子を よく注意して ご覧になったことが おありでしょうか?』。
平川『別に無理するわけでもなければ 特に 努力勉強するわけでもありません。 早く言葉を習って ひとつ商売でもしようか なんて言う 赤ちゃんはありませんから そこは 悠長なものです。 ところが 大きくなってから さあ 英語を習おうということになると なかなか そう 楽にはいかないですね。」
平川『非常に…。 勉強して 努力してみても なかなか ものにはなりません。 ここは ひとつ 恥をしのんで 赤ちゃんに…。 その秘けつを 聞いてみましょう』。
ひなた「聞きたい!」
ラジオ・平川『Won’t you please tell us your secret, babies? それは 何にも難しいことではありません。 ただ 全てを急がずに 無理をしないで 自然に覚えられるだけ 一日一日と新しいことを覚えていえけば…』。